大豆ミートとはどんなもの?食べるメリットや栄養成分の特徴は?

大豆ミートとは?メリットと栄養

「大豆のお肉」=大豆ミートは、菜食主義の人たちだけでなく、エコや健康を意識する人たちの間でも人気を集めています。

そもそも大豆ミートとはどんなもので、食べることでどんなメリットがあるのでしょうか。

また、「植物性だからヘルシー」とざっくりとらえている方も多いようですが、実際にどんなところがヘルシーなのでしょうか。

今回は、大豆ミートの基礎知識と、大豆ミートを食べることのさまざまなメリット、健康効果などについてまとめてみました。

ちょっと意外な話もあるかもしれません。最後までお読みくださいね。

大豆ミートとは

大豆ミートとは

大豆ミートは「代替肉」の1種

大豆ミート(英語ではソイミート)とは、大豆のタンパク質を利用して作られる、肉そっくりの食品。

家畜の肉の代わりになる「代替肉」(だいたいにく)の1種です。

現在作られている代替肉には、大きく分けて、植物由来のものと、動物や魚の細胞を培養したもの(培養肉)の2つがあります。

そのうち、植物由来の代替肉の代表ともいえるのが大豆ミートです。

大豆ミートはなぜ注目されているのか

大豆ミートのような代替肉が、なぜいま注目されているのでしょうか。

その大きな理由は、「家畜から食肉を作るよりも環境負荷が小さい」ということです。

いま、畜産が地球の温暖化に与える影響が問題視されています。家畜の中でもとくに牛は環境負荷が大きいといわれる動物です。

牛がエサを消化する時、胃の中で発生したメタンガスが「げっぷ」などで大気中に放出されますが、そのメタンガスにはCO2の25倍の温室効果があるといいます。

でも、代替肉ならメタンガスが出る心配はなく、生産に必要な水や土地の量も家畜より少ないなど、さまざまな面で環境負荷が抑えられるというわけです。

国連加盟国が取り組んでいるSDGs(持続可能な開発目標)においても、温室効果ガスの削減は大きなテーマです。現在のような、環境破壊につながる「工場式の畜産」はもう限界だともいわれています。

そうした背景があって、大豆ミートをはじめとする代替肉が注目され、世界で市場が広がりつつあるのです。

大豆ミートはイオンなどのスーパーでも手に入る

大豆ミートは日本でも気軽に買えるようになりました。

熊本のDAIZ(ダイズ)のようなスタートアップ企業のほか、マルコメ、大塚食品、伊藤ハム、プリマハムといった日本の有名メーカーも、一般家庭用の大豆ミート商品を提供しています。

スーパーでの取り扱いも増えてきて、中にはイオンのように自社のプライベートブランドで大豆ミートを販売しているスーパーもあります。

ファーストフード業界でも、モスバーガー、ロッテリア、ドトールなどが大豆ミートを使った商品をメニューに取り入れるようになりました。

個別の企業や大豆ミート商品については、別の記事でも取り上げていく予定です。

大豆ミートのメリット(栄養・健康面)

大豆ミートのメリット(栄養・健康面)

1、高タンパクで食物繊維が豊富な大豆でできている

大豆ミートの材料である大豆には、さまざまな栄養素が含まれています。

とくにタンパク質が豊富で、文部科学省の日本食品標準成分表を見ると、可食部100gに占めるタンパク質の量は牛肉よりも多いことがわかります。(ただし、乾燥大豆を水で戻したものは他の食肉と同程度になります。)

大豆100グラム中の栄養成分

※日本食品標準成分表2020年版・八訂(国産・黃大豆・乾)を元に作成

また、上のグラフには入れていませんが、大豆は炭水化物の中に占める食物繊維の割合が多いのも大きな特徴で、炭水化物29.5gのうち、食物繊維の総量は21.5gです。

食物繊維には整腸作用やコレステロール排出作用など、さまざまな健康効果があることがわかっています。

食物繊維は小腸で消化・吸収されずに、大腸まで達する食品成分です。便秘の予防をはじめとする整腸効果だけでなく、血糖値上昇の抑制、血液中のコレステロール濃度の低下など、多くの生理機能が明らかになっています。現在ではほとんどの日本人に不足している食品成分ですので、積極的に摂取することが勧められます。(厚生労働省 e-ヘルスネットより引用)

2、体の調子を整えるビタミン、ミネラル、イソフラボンも豊富

大豆には、体の調子を整えるビタミンやミネラル(無機質)もバランスよく含まれています。

ビタミンの中でも、とくに糖質や脂質の分解に役立つビタミンB群や、抗酸化作用の強いビタミンEなどが豊富です。

ミネラルでとくに多いのは、骨や歯をつくるカルシウムや体への酸素供給にかかわる鉄分。その他、マグネシウム、亜鉛、マンガンなどの重要な微量成分も含まれています。

豆類に特有の成分としては、ポリフェノールの一種のイソフラボンがあります。

大豆イソフラボンには女性ホルモンのエストロゲンと似た働きがあり、美肌、更年期障害の緩和、骨粗しょう症予防などに効果があるといわれています。

大豆ミートの健康効果は食べる量や商品の選び方で変わる

上記のように、大豆そのものにはさまざまな健康効果がありますが、大豆ミートはその加工品であることに注意しましょう。

大豆ミートの健康効果は、商品の加工度合いや食べる量によっても変わってくるのです。

そこを無視して食べてしまうと、健康面でデメリットが出てきてしまう可能性もあります。

gakei
gakei
大豆ミートのデメリットや商品選びのコツなどは別の記事でお話ししますので、そちらもぜひお読みくださいね。

大豆ミートのメリット(生活面)

大豆ミートのメリット(生活面)

1、大豆ミートは長期保存が可能

生の肉は冷蔵庫に入れてもすぐに消費期限が来てしまいますが、乾燥タイプの大豆ミートなら常温で長期保存することができます。

保存できる期間は、商品にもよりますが1年ほどは大丈夫です。

常備して「必要なときに少しずつ」という使い方もできますし、非常用の保存食としてストックするのもありでしょう。

2、動物の肉が食べられない人の選択肢が増える

大豆ミートには、動物の肉を食べない・食べられない人でも問題なく食べられるというメリットがあります。

肉食文化がさかんな現代では、何らかの理由で肉を食べない人や体質的に肉がムリな人は、不自由を感じがちです。

ベジタリアンやヴィーガン対応の飲食店を見つけるのが大変だったり、会食で気まずい思いをしたり、食のバリエーションが少なくて残念だと感じることもあるでしょう。

でも、大豆ミートが普及すれば、そうした人たちの食の選択肢が広がって、もっと快適な生活が実現するかもしれません。

大豆ミートのメリット(環境・社会面)

大豆ミートのメリット(環境・社会面)

1、畜産よりも環境負荷が少ない

すでに書いたように、大豆のタンパク質を利用して作る大豆ミートは、牛肉、豚肉、鶏肉などと比べて、さまざまな面で環境負荷を抑えられるといわれています。

「大豆ミートは、生産過程での温室効果ガスの排出、水の使用量、土地やエネルギーの使用量、どれをとっても、牛の場合よりも非常に少ない」と評価しているのは、アメリカの大豆ミートのスタートアップ企業、ビヨンドミートです。

gakei
gakei
この先、代替肉の環境負荷に関する研究が進んで、第三者機関による評価結果なども出てくることを期待したいですね。

2、将来のタンパク質不足への備えになる

大豆ミートなどの代替肉は、将来の食料不足やタンパク質不足にそなえる手段としてもメリットがあるといわれています。

国連食糧農業機関(FAO)の2022年の報告書によれば、世界で最大8億2800万人、10人に1人が慢性的な栄養不足に陥っています。

しかも、これからも人口は増え続け(国連の推計で2050年には97億人)、経済の発展が進む新興国の人々のニーズは、穀物主体の食事から、肉や魚介類を取り入れた食事へと移行していくと予想されます。

そうした状況で、世界の人々のタンパク源をどのように確保するか。そのひとつの答えが代替肉の活用だといわれているのです。

まとめ

代替肉の1種である大豆ミートの基礎知識と、いま注目されている理由、大豆ミートが私たちの健康や環境などにもたらすメリットについてお伝えしました。

新しい食材や食品が注目を浴び、広がっていくときには、必ずその背景に社会や経済の新しい動きがあります。

ここでお伝えしているのは、大豆ミートについてのごく基本的なことだけですが、知らないより知っていたほうがよいことばかりです。

他の関連記事も合わせてお読みいただき、大豆ミートとの上手なつきあい方に役立てていただけたらと思います。

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