食用のコオロギがパウダーに変身。どんな別名やブランド名があるの?

コオロギパウダー別名

コオロギパウダーとは食用コオロギを粉末にしたものです。

料理や飲み物などに混ぜる栄養食品として、また、パンやお菓子などの製造に使う業務用の食材としても販売されています。

でも、コオロギパウダーは、一般消費者にとってちょっとわかりにくい商品かもしれません。

理由のひとつは、新しい食材で、実際に商品を目にする機会が少ないこと。

もうひとつは、市販のコオロギパウダーは、「コオロギパウダー」や「コオロギ粉末」とは別の名称が使われていることがあるからです。

ここではみなさんの手間がはぶけるように、食用コオロギパウダーがどんな名称やブランドで売られているのかをまとめてみました。




クリケットパウダー(Cricket Powder)

クリケットパウダー

クリケットファームのクリケットパウダー

コオロギパウダーは、クリケットパウダー(Cricket Powder)という名称で売られていることもあります。クリケットとはコオロギの英語名です。

写真は、クリケットファーム(CricketFarm)(本社:長野県茅野市)が、2022年5月31日に発表した商品。「最高峰のCRICKET POWDER」という業務用コオロギパウダーです。

同社は、「自然由来の餌で完全国内生産」「ゲノム編集には頼らない」「コオロギ本来の成長力を尊重」など、自然派の養殖スタイルをとっているとのこと。

出典:クリケットファームのサイト https://shop.cricketfarm.co.jp/cricketpowder/

その他のメーカーのクリケットパウダー

クリケットファームの他にも、クリケットパウダーの名称を使っているメーカーがあります。

たとえば株式会社ODD FUTURE(本社:東京都新宿区)がAmazonで販売している「INNOCECT CRICKET POWDER」。

商品パッケージの表側に書かれているのは「CRICKET POWDER、HIGH PROTEIN 68g グルテンフリー|乳製品不使用 100g INNOCECT」だけで、コオロギの文字やイラストはありません。

しかし、商品ページのタイトルには「コオロギパウダー」の文字があるので、別のものと間違える心配は少ないでしょう。

また、同じくAmazonに、爬虫類や小動物のエサ用のコオロギパウダーで「クリケットパウダー」という名称がついているものがありました。こちらは、人間用と間違えないように注意が必要です。

クリケットフラワー(Cricket Flour)

クリケットフラワー(Cricket Flour)という名前のコオロギパウダーもあります。

「クリケット」はコオロギの英語名、「フラワー」にはパウダーと同じく「粉末」の意味があります。

高崎経済大学発のスタートアップ企業、フューチャーノート(FUTURENAUT)(本社:群馬県高崎市)が、クリケットフラワーという名称のコオロギパウダーを販売しています。

フューチャーノートは、パスコ(敷島製パン)の「Korogi Cafe(コオロギ カフェ)」シリーズ(お菓子やパンなど)にもコオロギパウダーを提供している会社です。

グリラスパウダー(グリラス社のコオロギパウダー)

グリラスパウダー

グリラスパウダーの名称でコオロギパウダーを販売しているのは、徳島大学発のスタートアップ企業、株式会社グリラス(本社:徳島県鳴門市)です。

グリラスとは、原料であるフタホシコオロギの学名「グリラス・ビマキュラタス」から取った名称です。

Gryllus Inc - 株式会社グリラス

「シートリア」「シートリアオリジナル」はグリラス社のブランド名

グリラスは、2021年6月4日に、「C. TRIA(シートリア)」のブランド名で、自社製造のクッキーやチョコクランチ、カレー、パンなどの商品を発売しました。

2021年12月24日からは、それまで飲食店や食品メーカー(無印良品その他)に提供してきた原料に加えて、一般向けのコオロギパウダーやコオロギエキスの販売も始めました。

この一般向けコオロギパウダー、グラリスパウダーは、「C. TRIA Originals(シートリアオリジナル)」のブランド名で販売されています。

https://gryllus-online.jp/pages/ctria-originals

「C. TRIA」は“Circulated Cultured Cricket(循環型に養殖されたコオロギ)”の頭文字である“3つのC”から取った言葉であり、コオロギを介して食品ロスを新たなタンパク源へ循環させる“サーキュラーフード”をテーマとしています。(グリラスのプレスリリースより引用)

同社の具体的な取り組みとしては、小麦を小麦粉にする段階で取り除かれる「フスマ」などをコオロギのエサに活用しているとのこと。

サーキュラーフードとは循環型食材・食品のこと

サーキュラーフードとは

コオロギパウダーも含めたコオロギ食品が、サーキュラーフード(循環型食材・食品)と呼ばれる場合もあります。

株式会社グリラスは、前出のプレスリリースの中で、サーキュラーフードを次のように定義しています。

「サーキュラーフードとは、持続可能な社会の実現にあたり、環境負荷の低減を目指し、かつ食品ロスを主要原料として活用すべく開発された新技術を用いて生産された循環型の食材及び食品のことを指します」

グリラスは、小麦を小麦粉にする段階で、通常は捨てられてしまう「フスマ(小麦の表皮の破片)」などもコオロギのエサに活用しているとのこと。

サーキュラーフードは、こうした循環が成り立てば、コオロギ以外の食品や食材にも当てはまる概念です。しかし、今のところは食用コオロギをイメージして語られているようです。

JALグループのエアラインがサーキュラーフードを導入

「サーキュラーフード」で調べると、JALグループのエアライン、JIPAIRが、2022年7月から、機内食の一部にサーキュラーフードを取り入れているという情報が出てきます。

機内食のメニューにある「トマトチリバーガー」と「ペスカトーレ」に、グリラス社のグリラスパウダーが入っているのです。

グリラスパウダーが入った機内食を食べているのは、希望した乗客だけです。JIPAIRの機内食は、乗客が食べたいものを選んで事前予約する形になっています。

同社の公式サイトの機内食のページには、「トマトチリバーガー(食用コオロギ)」「ペスカトーレ(食用コオロギ)」と掲載されていて、コオロギパウダーが使われているとはっきりわかります。

JIPAIRの公式noteによれば、同社は「サステナビリティは事業を行う上で必要不可欠」と考えていて、その一環としてサーキュラーフードに取り組んでいるとのことです。

レオバイトは爬虫類用のコオロギパウダー

ペットのエサ用コオロギパウダー

レオバイト(LEOBAIT)という商品名のコオロギパウダーもありますが、こちらはトカゲなど爬虫類用のエサとして売られています。

発売元は株式会社ECOLOGGIE(東京都新宿区)。

同社のサイトによれば、このコオロギパウダーは早稲田大学との共同研究から生まれたもので、「人間も食べられるコオロギが材料」とのことです。

ペットのエサとしてのコオロギパウダーは、生餌よりも簡単に扱えて、保管もラクなどのメリットがあります。爬虫類だけでなく、小型の両棲類や哺乳類に与えてもよいそうです。

まとめ

  • 食用コオロギパウダーの別名には、「クリケットパウダー」「クリケットフラワー」「グリラスパウダー」などがあります。「コオロギの英語名はクリケット」と覚えておくといいですね。
  • 「シートリア」「シートリアオリジナル」は、商品名ではなく、グリラス社が販売しているコオロギ食品のブランド名。「サーキュラーフード」とは、環境を配慮した循環型食材・食品を指す言葉で、そのひとつにコオロギ食品があります。
  • レオバイトは、爬虫類などのエサ用のコオロギパウダーです。クリケットパウダーの商品名で売られているものの中にも、エサ用のものがあります。人間用と間違えないようにしましょう。
  • オンラインショップではどの商品も、販売ページのタイトルや説明文にコオロギが材料だと明記されているので、きちんと読めば間違える心配はなさそうです。
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